ずりとは、トンネル工事等の切羽から掘削のために切り崩した岩片や土砂、鉱石の中に含まれる脈石や母岩など、資源として利用することができず廃棄されるべき無価値の岩石を指します。

炭鉱で石炭などを採掘する際に発生する不要な岩片、捨石を長期に渡って積み上げて形成された山をボタ山と呼び、捨石をボタと表現しています。ボタ山は漢字で硬山と書き、ズリ山とも呼びます。

トンネル工事によって発生するずりは場内外の盛土材料として利用され、可能な限り場外である周辺地域の残土処分場への運搬を抑制するよう工夫されています。

ダンプトラックによる沿道への振動、騒音、粉塵の影響の他、燃料(軽油)使用による二酸化炭素(CO2)の排出が問題になっています。

そこで、発生するずりを骨材としての適否を判定した上で、吹き付けコンクリートや覆工コンクリート用の骨材として生成し直し、有効利用しようとする仕組み及び取り組みがあります。

天然骨材の採掘として原石山を切り崩すことによる環境破壊や消費エネルギーが課題になっている状況下で、効果が期待されるものです。

骨材を生成するためのプラントは破砕機とフルイだけの簡易な設備でよく、コンパクトで移動や組み立ても容易な上、新材として場外から骨材を購入した場合と比較して、トンネル掘削1m当たり約10万円相当のコスト削減が可能という試算もあります。