硬質ウレタンフォームとは、ポリウレタン樹脂を主成分とする硬質プラスチック発泡体のこと。本来ならば「硬質ポリウレタンフォーム」と言い表されるべきだが、建築業界では「ポリ」を省略して「硬質ウレタンフォーム」とも呼ばれるのが慣習となっている。
硬質ウレタンフォームは独立気泡構造となっており、気泡の1つ1つに熱伝導率が低い発泡ガスを含んでいる。そのため、硬質ウレタンフォームには優れた断熱性がある。

また、硬質ウレタンフォームは独立気泡構造であるがゆえに水が染み込みにくくなっており、耐水性や耐湿性にも優れている。さらに、硬質ウレタンフォームは自己接着性があるため、接着剤なしでも対象物に接着が可能。

以上の性質があるため、硬質ウレタンフォームは断熱材として活用されている。施工方法は、原液を現場に搬入して専用の機械で被着体に吹き付ける「吹き付け工法」・工場であらかじめ加工した硬質ウレタンフォームのボードを型枠の内面に設置してコンクリートを打設する「打ち込み工法」・ボードを接着剤で躯体に張り付ける「張り付け工法」がある。

硬質ウレタンフォームのデメリットは、他の断熱材と比較した場合に高価であること。また、燃焼するとシアンガスなどの有毒物質が発生するおそれがある。しかし、火災が発生すると有毒ガスが発生するのは断熱材に限った話ではないため、憂慮し過ぎなくても良いとする意見もある。