棟木(むなぎ)とは、屋根の一番高い所に架かっている横架材で、屋根の荷重を小屋束から小屋梁へと伝える重要な構造材です。一般的に105角~120角の杉、米松を使用します。小屋裏収納やロフトなどのスペースを造るために小屋束のスパンを飛ばす場合は105×120、105×150のように、せい(高さ)の大きい棟木を使用することもあります。

木造の小屋組には、木造軸組工法(在来工法)の和小屋組と、木造枠組壁工法(2×4や2×6)の洋小屋組の2つがありますが、いずれの小屋組も一番高い所に架ける材は棟木と呼びます。

棟木の長さは屋根の形状によって変わります。切妻屋根や片流れ屋根は、長方形のため棟木が長くなる屋根形状です。寄棟屋根は台形の上辺が棟木のため、比較的短かめになります。方形屋根はピラミッド型の形状のため、棟木がありません。頂点のすぐ下の母屋を棟木とみなします。

木造住宅では、一番上の棟木を取り付けた段階を上棟(棟上げや建前ともいう)と呼び、節目を祝う上棟式を行います。棟梁や上棟を手伝ってくれた大工、とび職などの職人を施主がねぎらうとともに、工事が無事に終わるよう願う儀式です。棟梁と施主が一緒に小屋裏へ登り、棟木近くの南向き、または東向きの場所に棟札や幣束を飾ります。飾りは家のお守りとしてそのまま小屋裏に納めておきます。