棟押さえは、屋根の頂部を覆っている金物などのことを指しています。棟包みと呼ばれることもあります。屋根の形にもよりますが、通常の切妻や寄棟などのタイプには、すべて棟押さえ鉄板がつきます。例えば、野地板の上に防水紙、屋根葺き材を順番に葺き、棟板を屋根面に打ちつけたとします。この場合棟押さえ鉄板は、全体を包み込むように金属板を取り付けることによって屋根葺き材を押さえ、雨の浸入も防げます。さらに、屋根をがっちりと固定して、雨だけではなく風から家を守る役割も担っています。しかし、最も傷みが出やすい箇所でもあります。ただし、その耐久性については立地条件や日当たり、風当たりなどさまざまな条件で左右されます。

また、棟押さえ鉄板の下地となる棟板は、目立つことは少ないのですが傷みやすい箇所です。木製であることが多く、約7年から10年で劣化します。劣化すると、やせたり、腐ったりして釘が浮いて効かなくなってしまいます。

その他、棟押さえ鉄板は釘を棟板の側面に打ち込み、留めつけられます。金属板の厚さや釘の長さについては、葺き材・葺き方によって基準や仕様が決められています。加えて金属板の厚さや釘の長さ以外にも、留めつけの間隔や、棟板の厚さ、幅なども基準や仕様が決定されています。