鉄筋・鉄骨(てっきん・てっこつ)とは、いずれも建設物の主要構造をなす鋼材のことを言います。鉄筋は鉄筋コンクリート造の柱や梁、スラブの筋として用います。コンクリートは圧縮力には強いのですが、引張力、せん断力に弱い特性があります。鉄筋はコンクリートの補強材としてコンクリート内部に配置します。

「補強されたコンクリート造」を意味する英語の「Reinforced Concrete」を略してRC造とも言います。気密性、遮音性、耐震性、耐火性に優れた性質を持ち、集合住宅に適した構造となります。重量が大きいことからこれまでは低層の建物に利用されていましたが、軽量、高強度の鉄筋コンクリートが開発され、30階を超える超高層マンションでも採用されるようになりました。鉄骨は鋼を意味する英語の「Steel」を略してS造とも言います。柱や梁の主要構造部に用います。

鉄筋コンクリート造よりも軽く、粘りもあるため、高層ビルや低層の工場、倉庫などの施設の構造体として用いられます。鉄骨は火災時に脆弱になることから、耐火性能が求められる建物の場合、耐火被覆を施します。鉄筋コンクリート造と鉄骨造を組み合わせた構造が、鉄骨鉄筋コンクリート造で、SRC造とも言います。コンクリートの内部に鉄骨と鉄筋を配置して、強度と粘りを兼ね備えた構造となります。