おとなし継ぎとは、建築用足場を建築物の外壁に固定するための器具である。鉄製で出来ており、長さは12〜22cmの間で調整できる。重さは1.2kgほど。おとなし継ぎは手すりを挟み込むようなコの字形の構造となっている。接地面には保護マットが付属。
おとなし継ぎを取り付けるための工具は、ナットを締めるためのラチェットだけあれば十分である。取り付けには1個あたり1分とかからない。
これまでの方法であるアンカー打設は、ドリルで壁に穴を開けたり、ハンマーでアンカーを叩いたりする必要がある。そのため、騒音や振動、粉じんなどが発生するというデメリットもあった。おとなし継ぎを使えばそういった問題を軽減させられ、建築物に傷を付けるということもなくなる。
アンカー打設と比べた場合、建物と足場とを1カ所つなぎ止めるのにかかるコストを5分の1に低減できるという、仮設工業会の認定を受けている。騒音や振動などが発生しないため、補修する建築物を稼働させられるというメリットも。
おとなし継ぎ以外にも、防音機能がある床材や耐火用配管防音材などの商品名に「おとなし」という言葉を使っているのが現状である。