プルボックス(Pull Box)とは、電気設備の電線管路の電線接続箇所や通線の為に中間に設け、ビス止めされた蓋が付いた箱のことです。材質は樹脂や鋼板で正方形や長方形などの様々な大きさがあり、設置個所に応じて選定されます。

一般的にはさび止め塗装された鋼板製で主に屋内に使用し、室内露出の場合、周囲に合わせて塗装をします。屋外では溶融亜鉛メッキされたものや、プールや薬品を扱う室内で用いる場合にはステンレス製のものを用います。また、強度は鋼板製より落ちますが、軽くて耐食性もある樹脂製を選ぶこともあります。サイズは接続する電線管のサイズ、本数、配列により選定され、ボックスコネクタ接続のために電線管同士の間隔は30㎜以上を確保します。強電用のボックスには接地端子を設け、蓋に用途を表示することで管理を容易にします。

プルボックスに似た用途のものにジョイントボックス(Joint Box)やアウトレットボックス(Outlet Box)があります。前者は照明器具などへの配線やケーブル同士を途中でつなぎ、一つの回路で複数の器具への電気の供給を可能とします。後者はスイッチやコンセントなど末端で接続するものとなります。これらのボックスを組み合わせることで、合理的な電線管路を作っているのです。