プライムコートとは、道路のアスファルト舗装の際に、上層路盤の上にコーティングとして散布するアスファルト乳剤のことを言います。アスファルト舗装道路は、最下部の地盤をブルドーザーなどで馴らし、ロードローラーなどにより転圧して「路体(ろたい)」を作ります。その上に道路を走行する車体の荷重を支える「路床(ろしょう)」、砕石(さいせき)などで出来た「下層路盤(かそうろばん)」、「上層路盤(じょうそうろばん)」、そしてアスファルトで出来た「基層(きそう)」、「表層(ひょうそう)」が重ねて出来ています。プライムコートは、「上層路盤」に撒き「基層」との接着を良くします。「基層」の上にはタックコートを散布して「表層」との接着を良くします。プライムコートは「上層路盤」の砕石を薄いアスファルトでコーティングし、路盤の強化を行います。また、雨水の侵入、路盤の洗掘、水分の毛管上昇を防ぎます。
アスファルト乳剤は、アスファルトを熱して液状化し、水、界面活性剤などを加えて高速攪拌により乳化させたものになります。常温でも使用可能となります。散布後に時間が経過することで、アスファルトと水が分離されます。水は蒸発してアスファルトだけが残ります。色は茶褐色で水が分離した後は黒色になります。散布は主にディストリビューターと呼ばれる散布専用の車両で行います。その他、ジョウロやローラー刷毛(はけ)、ゴムレーキ、乳剤スプレーなどでも散布を行います。