磨き(みがき)ガラスとは、一般の窓に用いられる表面が平滑な透明ガラスのことを言います。磨き板ガラスとも言います。現代のガラスはフロート法と呼ばれる工法で製造されます。溶かしたガラスを錫(すず)などの溶融金属槽に流し入れ、錫より比重の軽いガラスが表面に浮かび上がります。ガラスは表面に広がり、徐々に冷やして板ガラスとなります。
これを普通板ガラス若しくはフロートガラスと言い、表面には多少の凹凸があります。古い建物の窓ガラスが歪んで見えるのはそのためです。磨きガラスは素材となる普通板ガラスを石膏を用いて鉄板の上に貼り、珪砂(けいさ)若しくは金剛砂(こんごうすな)で粗削りします。回転するフェルトで弁柄(べんがら)もしくは酸化セリウムを伸ばし、両面を仕上げて行きます。
日本工業規格ではJIS R 3202で板ガラスの規格をしています。厚さは2~25㎜となり、泡、異物、線状・帯状の欠点やきず、びひびについての品質試験について基準を示しています。板ガラスには他にガラスの片面に模様をつけた型板ガラス、片面に細かな傷をつけたすり板ガラス、金網を封入した網入りガラス、2枚のガラスに乾燥空気を封入して断熱性能を高めた複層(ふくそう)ガラス、強度を高めた強化ガラスなどがあります。