プラスターは壁塗り用の材料で、仕上げ材に使用される。主にしっくい・土などを水と混ぜてつくられ、左官職人がコテを使用して塗る。ギリシア建築にも使用されていたため、歴史ある建築技術の1つといえる。

本来、プラスターはしっくいを示していたが、石こうプラスター・ドロマイトプラスターをあわせてプラスターと呼ぶことが多い。石こうプラスターは主原料が石こうであり、硬化が早く乾燥による収縮が少なく収縮性があることが特徴。セメントの性質と同様に水硬性を持つ。粒子が細かいため、美しい仕上がりになる。

ドロマイトプラスターは主原料が白雲石であり、作業が容易でコストも安いのが特徴。耐火性に優れるため、屋内の壁塗り用材料に適している。さらに石灰の性質と同じく水分を吸収するため、屋内が乾燥すると水分を放つ。

ただし、石こうプラスターは主成分が硫酸カルシウムであるため、環境面で配慮しなければならない。石こうプラスターを埋立地で処分すると、有毒ガスである硫化水素が発生してしまう。

ドロマイトプラスターは施工完了から年数が経過すると、表面にひび割れが生じたり、剥離したりする可能性がある。施工中は風の影響を受けないよう窓などは閉めて作業し、低音下での施工はしないよう必要に応じて保温しながら行う。