パイルとは、建築物の基礎に用いられる杭のことです。地盤が弱い場所に建築する場合、支持層に到達する地中深くまでパイルを埋め込み、建物を支えます。杭工事には、工場生産の既製杭を埋め込む工法と、現場を掘削して配筋し、コンクリートを流し込む現場造成杭工法(場所打ちコンクリート杭ともいう)の2つがあります。

コンクリートパイルとは既製品の杭で、鉄筋コンクリート杭や、鋼管とコンクリートの複合杭のことを指します。PHCパイル、SCパイル、PRCパイルといった種類があります。打ち込み工法は騒音や振動の問題があるため、掘削しながら埋め込んで行く中堀工法や、あらかじめ掘削された孔にパイルを埋め込むプレボーリング式が多く採用されています。

鋼管杭は、NSエコパイルやTGエコパイルといった製品です。低コストで高支持力を得られます。先端の羽根を回転させて地盤を掘削しながら貫入していくため、騒音や振動が少なく残土も出ない、環境に配慮した工法といえます。

木材の杭を埋め込む工法は環境パイル工法といいます。防腐・防蟻(ぼうぎ)処理を施し60年以上の耐久性がある木材を使用します。CO2削減など地球環境にやさしい杭工法です。地上3階以下など小規模建築物の基礎杭として採用されます。
シートパイルとは、建設中の仮土留めや止水に使用する鋼矢板のことです。平形、U形などがあり、のちに引き抜いて撤去する場合と、基礎のフーチングと一体化させ構造体として利用する場合があります。