山砂(やまずな)とは、かつて川床や海底などにあった砂の層が地殻変動で隆起した山から採取した砂のことを言います。粒が細かく、微粒分や泥分が多い水の吸収率も高い砂となります。建築現場では既存の杭を引き抜いた後や建物基礎下の埋め戻しに用いられます。埋め戻しの土はA~D種の4種類あり、山砂はA種に分類されます。

埋め戻しには腐植土や粘土土よりも砂質土が好ましく、特に山砂が最良となります。山砂は川砂や海砂よりも粒の大きさが均等で、締固めに適しています。締固めは建築工事標準仕様書により、厚さ300㎜毎に水を掛けながら行います。浸透性が悪い場合には、ローラーやランマー等の機械を用いて行います。建設資材としての山砂は風化した花崗岩の柔らかい砂を採掘し、5㎜以下に加工したものが多く流通しています。プラントでは石などを取り除き、破砕機で塊を粉砕、篩網(ふるいあみ)で選別をします。その後、水洗浄をして自然脱水の後に出荷されます。

山砂は海砂のような塩分は含まれておらず、コンクリートの細骨材や水道・下水道配管工事の保護材、左官用に持ちます、サッカー場・野球場・ゴルフ場の芝用、クッション性や排水性を必要とするグランドの砂にも適しています。