リップ溝形鋼とは、JISG3350に規定された一般構造用軽量形鋼です。軽量形鋼には、H形、山形(L形)、ハット形など数種類の形がありますが、リップ溝形鋼は軽溝形鋼にリップ(唇)のような形状を加えているものです。リップは軽溝形鋼より高い断面性能を持たせるために付けられています。

どちらも形状がアルファベットのCに見えることから、「Cチャンネル:通称Cチャン」とも呼ばれています。
リップ溝形鋼は軽く、切断や穴開けといった加工も容易な施工性の良い材料です。軽量にもかかわらず強度も高いため、住宅や店舗、農業用ビニールハウスといった小規模な軽量鉄骨造の構造用部材として使われています。また、ダクトの吊り材、エアコンや太陽光発電の架台など利用されます。工場や体育館などの重量鉄骨造では、下地材(母屋、胴縁、根太)や、補強材(間柱、耐震ブレース)として使われるのが主な用途です。

リップ溝形鋼は左右対称ではないため、軽量H形鋼に比べて強度の点では性能が劣ります。そのため構造材として利用する時は、2本を背中合わせにして組むことで強度の向上を図ります。接合に関しては、肉薄のため溶接には適しておらず、ほとんどがボルト締めです。