ラッカーとは、無色または着色された塗料の一種であり、溶剤を揮発させることによって乾燥する揮発性塗料のこと。揮発性の高いトルエンやアセトンなどを溶媒としている。スプレー缶に入っていることが多い。
溶剤に樹脂だけを溶かしたクリアラッカー、アクリル樹脂を主成分とするアクリルラッカー、溶剤に樹脂と顔料を溶かしたラッカーエナメルなどの種類がある。日本で伝統的に塗料として使用されている漆もラッカーの一種。
ラッカーは乾燥が早いので、建築でも扱いやすい塗料である。乾燥すると硬化して耐久性の高い塗面を形成し、磨き上げれば強い光沢が得られる。補修しやすい、コストが比較的安いなどのメリットも。
しかし、ラッカーは塗膜が薄くなるため風雨に弱い。そのため、屋外には不向きである。
また、気温が高くて湿気の多い日にラッカー塗装するとブラッシング(白化現象)を起こしやすい。耐水性・耐熱性・耐溶剤性などで劣るため、屋内でもテーブルの天板や床材など、水に濡れるおそれがある部位には向かない。
透明な塗料であるため、塗装箇所が木材の場合は木目の質感が残りやすい。よって、素地の汚れや傷なども仕上がりに影響するので、下地の節止め・穴埋め・素地の研磨などが重要となる。
【参考動画】
こちらの動画ではラッカーの使い方について解説されています。