ケロシンとは、石油の成分の1つである。沸点はおよそ150〜280℃で、ナフサより重く軽油より軽い。取り扱いが比較的容易で、家庭用の暖房器具のほか、工業用の洗浄や溶剤にも利用される。

ケロシンの自然発火温度は220℃と高く、引火点以下なら火花が入っても燃焼しない。ただし、揮発した際にはガソリン同等に引火しやすいため注意が必要。皮膚炎や結膜炎など、人体に影響を及ぼすこともある。

また、英語でケロシン(kerosene)とはもともと灯油を意味する。日本でも、灯油そのものを指す場合がある。
日本工業規格(JIS)では、ケロシン(灯油)の規格や取り扱い方法などについて厳密に規定している。精製度が高い1号と、精製度が低い2号に分類される。

なお、建設機械にケロシンなど軽油以外の燃料を使用すると、さまざまな弊害を引き起こすおそれがある。エンジンのかかりが悪くなるだけでなく、部品が摩耗するなどでエンジンが故障する原因となる。
国土交通省告示により、軽油を燃料とする特定特殊自動車にはガソリンスタンド等で販売されている軽油を使用するよう義務付けられている。建設重機にケロシンなどを使用した場合、30万円以下の罰金が課せられることもある。