内倒し窓とは、掛け金具であるラッチを外し、窓の下部を軸として一定の角度を維持したまま上部が室内側に開閉できる窓のことを指します。

小面積の窓で、採光や換気を目的に多く用いられており、トイレや浴室、階段踊り場などが設置場所の例として挙げられます。

隣接する家屋との距離が短く窓を外開きにできない場合や、窓からの侵入が困難なことから防犯対策として採用されることもあります。

また、排煙設備を設置しなければならない建築物においても、内倒し窓を有効開口面積として計上することができます。

対象となる建築物は、延べ床面積500㎡を超えるもので、劇場、映画館等の興業場、公会堂、集会場、病院、ホテル、共同住宅、児童福祉施設、博物館、美術館、図書館、店舗、遊技場、公衆浴場、飲食店などです。

建築基準法では、火災時の煙害対策と安全避難の確保のため、一定の建築物について排煙設備(自然排煙方式、機械排煙方式)の設置が義務付けられており、排煙口の有効開口面積の合計は、防煙区画毎に当該防煙区画面積の1/50以上と規定されています。

建築設備設計・施工上の運用指針にて、開閉形式(回転窓、内倒し窓、外倒し窓、ガラリ)に応じた排煙口の回転角度と有効開口面積について示されています。内倒し窓の回転角度は45度以上90度以下、有効開口面積は窓外側の開口部相当となります。