長押は「なげし」と読みます。和室において、壁面などを取り囲むように取り付けられる化粧部材である。もともとは柱を固定するための役割であったが、建築工法が発展したことによりその役割がなくなった。しかし、現代でも和室には欠かせないものとなっています。

長押の上部にある出っ張った部分にハンガーなどをかけたりするなど、壁面収納として活用されるようになっています。最近では、現代風にアレンジして洋室にも取り入れるケースが増えており、後付け用の長押も売られています。

壁と床の長押は取り付け位置によって種類が分かれています。位置が下から順に次の通りです。地長押(じなげし、柱の最下部)・縁長押(えんなげし、縁側に面して設ける)・腰長押(こしなげし、壁の中ほどや窓の下)・内法長押(うちのりなげし、開口部のすぐ上)・蟻壁長押(ありかべなげし、天井のすぐ下にある蟻壁の下)・天井長押(てんじょうなげし、天井の回り縁のすぐ下)となります。

なお、内法長押がもっとも一般的なので、これを単に長押ということもある。また、長さにより本長押と半長押にも分類します。下面と正面だけしか見えないので、見える部分だけ台形状に製材してあることが多い。木材の木口を台形状に斜めにひき割ることを長押挽きと言います。