ヒューム管とは、主に下水道に使われる鉄筋コンクリート製の管のこと。1910年に、オーストラリア人のヒューム兄弟が発明したことからその名が付いた。日本でも1920年代より導入。

鉄筋を芯として、円筒状の型枠にコンクリートを流し込む。それを軸回転させることにより、遠心力を利用した締固めが実現できる。内圧にも外圧にも強い管となるため、下水道だけでなく、灌漑用水や宅地造成などにも用いられる。
ヒューム管は工場で製造するため、高品質の製品を生産できる。強く締め固めて強度の高いものとなるため、たわみも少なく漏水しにくい。
原材料を国内で供給できるため、全国でヒューム管を製造できる。さらに、破砕後はコンクリート用骨材や道路の路盤材などにリサイクル可能。

しかし、近年は塩化ビニール管も使われるようになってきている。ヒューム管はコンクリートの粗度がやや高いため、管内の流量が塩化ビニール管より劣る。また、コンクリートであるがゆえ、酸性・アルカリ性の薬品などにも弱い。
ヒューム管は重量が重いため、施工しやすい塩化ビニール管に代用されつつある。しかし、管そのものに高い強度が求められる推進工法や大径幹線水路では、現在でもヒューム管は欠かせない。

【参考動画】

こちらの動画ではヒューム管の製造工程について解説されています。