フープとは、鉄筋コンクリート構造(RC構造)の柱や梁などの主筋(軸方向鉄筋)に直角になるように配置された鉄筋(横方向鉄筋)のことをいう。他にフープ筋・せん断補強筋などと呼ばれる。特に柱の場合は帯筋、梁の場合はスターラップ(あばら筋)とも呼ばれている。フープは英語でhoopと表記し、「輪」や「輪状のもの」という意味があることから、フープの形状も輪状となっている。

主筋と比較すると、フープは10mm程度の細い鉄筋であることが特徴。鉄筋径や間隔などは各指針や設計図書に基づき決定する必要がある。フープの組み立ての形は、H形・WーI形・SP形・丸形などの種類がある。

柱や梁などにかかる曲げや引っ張りに対しては主筋が負担するが、フープはせん断力に対して抵抗する。地震時などはせん断力が生じコンクリートだけでは負担できないため、フープ筋があることで大きなせん断耐力に抵抗できる。フープが配置されることでコンクリートのひび割れの発生を防止している。他にも、主筋を囲むように配置することで主筋のずれを防止する役割を担ったり、コンクリートに圧縮力がかかることによる座屈を防ぐ役割も担っている。

フープ筋にはフックをつけて主筋に配置するが、溶接閉鎖型といってフックをつけずに溶接を行い接合する場合もある。