土木での鉢巻とは、防波堤工事の水中構造物として、また地下構造物を構築する際に用いる中空で箱状のコンクリート製、または大型の鋼製の箱であるケーソンで、吊り出しの際の水平方向に掛かる負荷に対抗させたり、不等沈下などで全体の歪が生じることがないよう剛性を補強するために施される補強部分を指します。

ケーソン頭部の内周に取り付けた張り出し部を頭部補強とも呼びます。
コンクリート製のケーソンでは、壁体部分の鉄筋量を増加させることで力を分散し補強させる方法があります。

また、鋼管の杭頭部分の変形や損壊を防止するために施された補強用鋼材を鉢巻と呼びます。
鋼管の杭頭部分の補強には、異形鉄筋の溶接やブラケットの取り付けなどが用いられます。

建築での鉢巻とは、土蔵造りや箱棟の建造物で、火災時に屋根の軒下から火が回ることを防止するために段差を施したり、継ぎ目を覆ったり、さらに装飾のために施される繰形(くりかた、モールディング)で、軒周りを斜めに張り出して引き回したものを指します。漆喰を使って繰り方を作る技法を蛇腹引きと呼び、鉢巻に該当します。

その他、屋根部分の鼻隠しや破風板の部分を同色の塗装で鉢巻仕上げにするという言い方もあります。