H型の断面をした形鋼(断面を一定の形にした鋼材)がH形鋼(エイチがたこう)である。
1960年代より、日本でH形鋼の生産が始まる。超高層ビルの建築が進んだ1970年前後から大量にH形鋼が使われるようになり、1980年代にH形鋼を大量生産する技術が開発された。

H形鋼は建築だけでなく、機械や車両の構造部材などとしても使用されている。橋梁・トンネルの支保工・杭などにも活用。特に鉄骨構造の約7割がH形鋼である。

アルファベットのHの形をしていることにより、曲げ耐力や座屈耐力に優れた鋼材となる。また、H形鋼は単純な面で構成される形状になっているため、切断や穿孔といった簡単な加工を施すだけでそのまま使用できるというメリットも。

H形鋼には、JISで規格が定められているH形鋼JIS G 3192の他、H形鋼杭JIS A 5526や外法一定(そとのりいってい)H形鋼がある。外法一定H形鋼が文字通り外法寸法が一定なのに対して、JIS-H形鋼は内法寸法が一定となる。
さらに、ロールHとビルトHという分類も。製鉄所でロール成型したものがロールH、溶接してH形に組み上げたものがビルトH。既製品のH形鋼にない断面を求める場合などにビルトHが作られる。