トタン板(とたんいた)とは、表面を亜鉛でメッキされた薄い鉄板のことで、亜鉛メッキ鋼板(あえんめっきこうはん)、亜鉛鍍鉄板(あえんとてっぱん)とも言います。平らなものもありますが、丸波や角波の形状にして強度を増し、耐食性があることから屋根材や外壁材として用います。

素地の色はシルバーで塗装を施した茶や白、青色等も用意されています。建材以外にもバケツやチリトリ、じょうろにも用いられています。1906年(明治39年)、官営八幡製鉄所で作られたのが最初と言われます。鉄道の普及に伴って沿線の住宅の屋根に防火性能が求められ、茅葺からトタン板の屋根に置き替わり、全国に普及しました。

波形の板材のことを波板(なみいた)と言いますが、トタン板はその一種で、塩化ビニル製、ポリカーボネート製などもあります。寿命は5~6年、定期的に塗装を行うことで20年ほどまで延びることもあります。耐食性を考慮すると、亜鉛とアルミの合金でメッキを施したガルバリウム鋼板の方が優れています。最近ではトタン板に代わりガルバリウム鋼板を用いた住宅建築が多く建てられています。尚、鉄板に錫(すず)をメッキしたものをブリキ板(ぶりきいた)と言います。