胴縁とは(どうぶち)と読み、壁などに使用する木材や鉄骨に使用されています。一般的に、合板やサイディング壁など強度を高める目的として下地材で使われています。縦か横に施工するものに分かれています。これは、壁の構造によって使い分けをするためです。強度のない垂直材や水平材の曲がりを防ぐ、大切な存在です。また、台風による暴風や地震による揺れに耐えるよう強度を増す役割もあります。

通気性にもよい

透湿防水シートで壁を覆い、外壁と壁の間に胴縁を入れることで、通気層を設けた工法ができあがります。通気を設けることで、外壁に空気の通り道を作ることができ、家全体の湿度と温度を保つことで壁内や窓などに結露が発生しにくくなります。その他、木材の腐食やシロアリの食害防止、冷暖房の節約にも効果的です。

胴縁の種類

建物の外壁模様により、縦胴縁、金属サイディングには横胴縁がよく使われています。

※サイディングとは長い板状でできた外壁材のことです。

※窯業とは、窯や炉で粘土・ケイ砂・石灰岩などの非金属類を1000℃以上の高温処理で固くしたものです。陶磁器、ガラス、セメント等などを作るときにも使われ、窯業サイディングではセメントと木質繊維がおもな原料です。

縦胴縁

横張サイディングの下地として使われます。空気が温まると下から上へ、雨水が入った場合は上から下へと、空気や水がスムーズに排出されます。つまり、縦胴縁は通気性に抜群な胴縁です。
また、横長サイディングはデザインやカラーが豊富なことと、1人でも作業ができるため工事費用も抑えられます。
しかし、横張サイティングには縦方向に目地が多くなるため、シーリングのメンテナンス費用がかかってしまい、一般の住宅では25万円ぐらいです。

横胴縁

羽目板と胴縁受け材・間柱の間にある横架材です。縦方向縦長サイディングになると横胴縁になり、以前は下から上への通気がしづらいのが弱点でした。最近では、合成木材が利用されたことや横胴縁に通気溝を用いられたこと、横胴縁の長さを短くして数を増やすなどで解消されました。しかし、加工時間がかかるため工事費用が高くなります。

デザインやカラーはシンプルなため、倉庫や工場の外壁に見えてしまい、玄関ドアや窓を木製にするなどで変えられます。

縦長サイディングの外壁は、継ぎ目部分に横方向に目地が出てしまうけど、横張サイティングより箇所が少ないため、シーリングのメンテナンス費用が抑えられます。

胴縁と似た部位

胴縁に形や大きさに似た「母屋」と「根太」があります。
母屋はもっとも高い棟木と左右隅っこにある軒桁の間にあり、3つとも屋根を支える働きをもつ桁です。
根太は床材(洋室にはフローリング、和室には畳)を支え、大引に荷重を伝えます。

これらの違いにも注意しよう。

胴縁を使わない建物もあります

ただし、一般的な住宅では胴縁は必要ですが、例外も存在します。たとえば、鉄筋コンクリート造など外壁材単体で風圧に耐えられる構造の建物などです。ここで言う風圧は、暴風などによる建物にかかる圧力のことです。建築基準法では、速度圧と風力係数をかけた値で求めます。

適切な胴縁を選定するには、荷重や断面算定などが関係します。したがって、構造設計者としては詳しい知識が必須です。設計士や職人にとっては、切り離せない部材だと言えます。

まとめ

胴縁は壁の補強材として利用されているもので、縦と横で通気性、時間やお金のコスト、見た目などが違ってきます。通気性に関しては縦胴縁の建物のほうが優れているが、加工技術により横胴縁の建物もよいとの評判です。購入前のコストを抑えたいのなら縦胴縁、メンテナンス費用を抑えたいのなら横胴縁がよいでしょう。