飛び梁とは、屋根を寄棟(よせむね)にする際に小屋束(こやづか)を載せるために用いる。
そもそも梁とは、柱の上に、棟木(むなぎ)と言われる屋根の一番高い位置に取り付けられる部材と、同じ方向へ伸びる建物の上からの荷重を支える部材のこと。家を建てる際、一番重要なのは、縦に伸びる柱のイメージが強いが、
その次に重要なのは、横に伸びる梁と考えるのが良い。
また、今回の飛び梁を解説するにあたって、もう一つ重要なのは、
日本建築の家屋では、一般的に屋根材⇒垂木⇒母屋⇒小屋束⇒小屋梁と力が伝達されるということ。この原理から説明すると、本来、日本の家屋の屋根は、一番下に小屋梁という部材を使うことが多いが、この小屋梁が無かったとき、軒桁から隣接する小屋梁に梁を渡して、その上に束を立てるために設けるのが、飛び梁。
実際、程よい場所に小屋梁が来てくれることが望ましいが、そうではない場合が多いため、飛び梁が使用されることがある。
またこの際、飛び梁は他の梁と違い、逆方向(桁方向)に配置される。
※飛び梁はゴシック建築でよく見られるフライング・バットレスと同義とされることがあるが、今回の解説では日本建築で使われるものを指している。