フィラーとは、すき間や凹凸を埋めるための充てん材、または隠すための部材です。建築用語としては主に4つの意味があります。

1.デッドスペースを隠す面材
システムキッチンや収納家具などは、間口にぴったりと納まらず、壁との間にすき間ができることがあります。そのデッドスペースをふさぐために取り付ける部材がフィラーです。同じ面材を使用すれば一体感のある仕上げが可能です。天井や床との見切り部分に取り付ける横長のフィラーは、幕板とも呼びます。

2.鉄骨の厚みを調整する詰め物
鉄骨の接合部分において、部材間の厚みに1ミリ以上の差(肌すき)が生じた場合には、フィラープレートと呼ばれる鋼板を差込みます。すき間を埋めて厚みを合わせることでボルトの締め付け力を保てます。

3.塗装の下塗り材
凹凸やひび割れがある外壁の塗り替えを行う場合、下塗り材のフィラーを厚めに塗布して下地を整えます。幅広く使用されているのは、下地の調整と下塗り・中塗りを一回で行える微弾性フィラーです。

4.アスファルト混合物の材料
舗装のアスファルトに混合する材料の中で、0.075ミリ以下の粉末状のものをフィラーと呼びます。アスファルト・粗骨材・細骨材のすき間を埋め、アスファルト混合物の粘度を高める役割をします。