野地板(のじいた)とは、屋根葺材(やねふきざい)の下地板のことを言います。屋根の構造(小屋組み)は頂部に棟木(むなぎ)、下部に軒桁(のきげた)があります。その間に小屋束(こやつか)を支柱とし、母屋(もや)、垂木(たるき)、野地板の順に設置します。
野地板の上には防水紙(ルーフィングとも言う)などの下地材を取り付け、瓦(かわら)やガルバリウム鋼板等の屋根材を葺(ふ)いて屋根が出来上がります。野地板は40年ほど前までは巾10㎝程度の杉板を用いていており、屋根や天井などで隠れて直接見えないことから、抜節(ぬきふし)や欠節(けつふし)がある安価な木材を用いることが多くありました。
軒先や縁側などで野地板の裏面を現す場合には、化粧板とすることもあります。現在では防水紙の取り付けや建物の耐震補強を考慮して、構造用合板を野地板として用いることが多くなりました。建築基準法の防火地域若しくは準防火地域では屋根材と合わせて野地板にも耐火性能が求められます。その場合、木毛セメント板や木片セメント板などを用いることがあります。屋根と同様に野地板も劣化するため、屋根の葺き替えの工事の際に野地板の状況を確認し、同時に張替えも必要になることもあります。