「異形棒鋼」は「いけいぼうこう」と読む。「いぎょう」ではないので注意が必要。
鉄筋の種類は大きく分けると丸鋼と異形棒鋼(異形鉄筋)の2つとなる。丸鋼の断面が凹凸のない円形であるのに対して、異形棒鋼は表面にリブと呼ばれる節のような凹凸が付いている。真円である丸鋼と比べて歪な形をしているので、「異形棒鋼」と呼ばれるようになった。

異形棒鋼の表面に凹凸を付けることで、コンクリートとの付着力・定着力が高まる。また、丸鋼よりも引き抜き抵抗力が強くなり、定着長を短くできる。コンクリートは圧縮には強いが引張力に弱いため、異形棒鋼と組み合わせることで補える。

そのため、近年ではほとんどの場合でSRC造やRC造に異形棒鋼が用いられるようになった。鉄筋の要となって荷重を負担する主筋や、主筋と直角になるように配される配力筋には、いずれも異形棒鋼が使用されている。
JIS(日本工業規格)には鉄筋の区分があり、異形棒鋼は5区分、丸鋼は2区分ある。異形棒鋼の型番には、すべて頭に「SD」が付く。また、直径の大きさでD4からD51までの呼び名がある。

異形棒鋼の接合方法はさまざま。ハッカーなどを使って番線で結束する重ね継手や、酸素アセチレン炎で加熱しながら接合部を加圧するガス圧接継手などがある。ただし、D35を超える異形棒鋼には原則として重ね継手を用いない。