床版とは、床材のうち人や物の荷重を支える役割を担う床板を指します。これはスラブ板と呼ばれることもあり、建築物の床だけでなく、水路等を行う際の土木工事の中でも使用されます。似た言葉に床板がありますが、これはフローリングやカーペットタイルなどの床仕上げ材を指す言葉であり、意味は全く異なります。
先に説明したように床版は構造的な用途を担うため、その鋼製部材は建物構造によっても異なり、鉄筋コンクリートやプレキャストコンクリート、構成のものなど様々です。これらの中で最も多く使用されるものは鉄筋コンクリートで施工されたもので、スラブという呼び方が一般的です。
バルコニー等はねだしの構造物を施工する場合にはデッキスラブというものを用いることが一般的です。これはデッキプレートと鉄筋コンクリートを組み合わせたもので、強度が高いためスラブを薄く設計することができ、意匠的な側面で用いられることもあります。また、床版を設計する際には、構造強度だけでなく、遮音性や耐火性など、一般的に建築に求められる性能も加味して設計を行うことが必要です。