玉石(たまいし)とは、10cm〜50㎝程度の角が無く粒の揃った建設に用いる石のことを言います。土木工学では土の大きさによって、粘土やシルト、砂に分類され、砂より大きいものを砂利(じゃり)、栗石(くりいし)、玉石、転石(てんせき)に分け、最も大きいものを岩(いわ)と言います。玉石は河川の流水により小さく砕かれ、角の取れた丸い石となります。

玉石は昔から木造建築の基礎としても用いられてきました。玉石の表面には凹凸があり、柱の接する木口をその凹凸に合わせることを「ひかる」や「光付け」と言います。密着により光も漏れない様子から出来た言葉です。玄関などの土間床に用いる「玉石の洗い出し仕上げ」があります。コンクリートが乾く前にカラーモルタルを薄く敷き、その上にため石を並べて敷き詰める工法で、表面を水で洗い流して作ります。玉石の表面の凹凸が浮かび上がり、美しい仕上がりとなります。

庭に玉石を歩幅に合わせて敷くことを飛び石と言います。日本庭園に多く見られる方法で、江戸時代に普及しました。その周囲を小さめの玉石で敷き詰めることで、枯山水の様な庭園に仕上げることも出来ます。最近では洋風庭園でも玉石の敷き詰めを取り入れるようになり、和洋折衷の庭園が出来ています。