粘土自体は岩石が風化などにより分解してできたごく細かい粒子の集まりのことを言います。土を構成するものは、粒子の大きな順に礫(れき)・砂・シルト・粘土に分類されます。粘土は直径が0.005mm以下の非常に細かい粒子です。

建築で粘土が関わるのには、まず地盤があります。粘土は粒子が細かく、その粒子間に水を蓄える性質があり、水を含んだ粘土層の上に建築物を建てるとその圧縮力によって粘土層の中の水が押し出され、粘土層は沈下していく。この現象を圧密沈下と言います。

粘土層から水が押し出されるのに長い時間がかかるため、圧密沈下は時間をかけて徐々に進行していきます。また、粘土層の厚みに差があると場所によって沈下の度合いが異なり、不同沈下を起こします。これを未然に防ぐためには、建築前に地盤調査を行い、地耐力が不十分な場合は湿式柱状改良や小口径鋼管杭工事などといった地盤改良工事をしっかり行うことが大事です。

また、建築で粘土は建築資材として用いられます。粘土を練って形を作り、高熱で処理することで作られるものを粘土焼製品と言います。粘土瓦・レンガ・タイルなど、屋根材や外壁などに利用されます。粘土焼成品の建築資材は防火性や防水性に優れており、建物を作る上で欠かせない建築資材です。