建築石材として使用されるチャートとは、堆積岩の一種である。日本語で角岩(かくがん)とも。
主成分は二酸化ケイ素(SiO2)で、これを成分とする海綿動物や放散虫などの殻や骨片が海底に堆積することで形成される。硬度は高く、層状をなすことが多い。
色は乳白色のものが多い。しかし、含有する不純物により赤・緑・青灰・灰・黒などのものもある。暖色系のものは酸化鉄鉱物、暗色系のものは硫化鉄や炭素化合物に起因する。
日本では、北海道から沖縄まで、広い範囲でチャートが採掘される。古生代後期や中生代の付加体とよばれる地質体の中でよく見られる。そのため、海洋プレートの沈み込みに伴ってチャートが生成されたものと考えられている。
チャートはかつて石器や火打ち石として使われていた。現在では、高純度のチャートが耐熱レンガやガラスの材料となっている。
耐熱粘土にアルミナ・マグネシウム・チャート(ケイ素)などを混ぜ、高温で焼いたものが耐火レンガ(または耐熱レンガ)となる。高温で焼くことにより、1600度以上の高温にも耐えられるようになる。
耐火レンガは住宅・商業・工業用の炉に使われる。ガラス窯やピザ窯にも耐火レンガを使用。高熱工業用材料であり、高炉や焼却炉などに用いられている。