セメントミルクとは、セメントと混和剤(粘性、粘着性、吸水性、吸着性を持つベントナイト)、水の配合により練り合わされたもので、地盤改良の注入剤や基礎杭の根固めとして利用されています。
杭先端に杭の根固め部を設け、注入したセメントミルクと攪拌(かくはん)によって生成されるソイルセメントによって影響範囲を拡大させ支持力を得る埋込み杭工法があり、従来の施工のプロセス管理による品質管理から、目に見えない部分における適正な支持力確保のための強度管理に視点が移行されつつあり、根固め部のコア強度を現場から採取した未固結資料の材齢28日固化強度を調べることで施工管理が行われています。
既製コンクリート杭やH型鋼打設のためのセメントミルク工法があり、スパイラルオーガで所定の支持層まで掘削の後、根固め液であるセメントミルクを注入しながらスパイラルオーガを引き出して対象となる杭を挿入し固定させるものです。セメントミルクは水と比較して比重が重いため、余分な水は下層部分から順に置き換えられてオーバーフローさせることができます。
セメントミルクに関連する用語として、エアミルクがあり、セメントミルクに起泡剤を混ぜることで流動性を高めて圧送ポンプによる打設が容易となるため、間隙を埋める中詰材として用いられています。また、薬注と呼ばれる地盤強化の工法ではセメントミルクが薬材として用いられています。その他、基礎杭を打設の際に注入するセメントミルクを根固め液、杭周固定液とも呼びます。