キャブタイヤケーブル(Cabtyre Cable)とは、耐摩耗性、耐衝撃性、耐屈曲性が高く、耐水性もあるケーブルのことです。建築工事現場、鉄工所、造船所などにおいて、通電したまま移動が出来る仮設などにも用いるケーブルで、キャブ(辻馬車)のタイヤのように丈夫なゴムで覆われているケーブルが語源と言われています。

製造現場以外にもクレーンやエレベータの様に常に動く機械や、港湾施設、鉱山施設、太陽光発電施設、風力発電施設の様に対候性、下水処理場、化学薬品工場などの耐食性を求められる場所で使用されます。被覆素材としてはゴム系、ビニル系があり、内部銅線の周りにも柔軟性のある絶縁層(シース)で1本若しくは複数本をより合わせた構造となります。

用途としては動力用、制御用があります。グレードとしは天然ゴムキャブタイヤケーブルのみの1種、導体、絶縁体、シースから構造される2種、シース中間層に補強層がある3種、線心の中心にクレードコアと呼ばれる座床が入る4種に分けられます。

選定としては使用場所、電圧(600V以下、300Ⅴ以下)により種類を選択します。近年では再生可能エネルギーや電気自動車の普及により、柔軟性や強靭性を兼ね備えたケーブルの開発も盛んになっています。また、塩素、ハロゲン、鉛などを含まず、廃棄時の焼却、埋めにおいてダイオキシンなどの有害物質を発生しないエコキャブタイヤケーブルもあります。