腕木は、仮設の足場のケースでは、内側と外側2本の垂直方向の支柱をつなぐ短い単管パイプのことを指しています。足場材あるいは足場を横につなぐ際の部材を支えるのが目的です。水平という意味から、「転ばし」、「転がし」と呼ばれることもあります。

また、建築では、腕木はホゾで差し込んであることに加えて、一方には支えが存在しないことが特徴です。壁あるいは柱から垂直に突き出しており、屋根の桁や庇(ひさし)を支えるものを指しています。たとえば、看板などをぶら下げる目的で利用されます。まだ電柱が木製だった昔から存在しているのも特徴のひとつです。電線を張る役割がある横木のことを指し、ケヤキやヒノキなどの丈夫な木材が用いられていました。

その他、足場材の腕木は「単管足場」を組み立てるときに利用されます。単管足場は、足場の形状を柔軟に変えられるため、狭い場所においても組み立てることが可能です。腕木のほかにも、大筋交い、単管ジョイント、ジャッキベース、壁つなぎ用金具などが用いられます。足場のスパンは、「労働安全衛生規則」で規定されているため注意が必要です。たとえば、スパンの全長については1.85mが上限です。そのため、市販の作業床は最大長が1.8mであるなどのことが多い傾向にあります。