裏込材は、擁壁などの背面に詰められる透水性の良い材料のことを指しています。例えば、栗石や砂利などが該当します。擁壁や石積みの背面の水抜きを良くする効果があり、擁壁にかかる土圧を減少させるというメリットがあります。ただし、裏込材のメリットを十分に得るためにはしっかりと転圧して敷き込むことが重要です。加えて、石積みにおいては石と石のかみ合いのなじみをとることで、石積みの全体の安定性を増せるのが魅力です。

また、構造物の安定を図る目的で堤体背後に、割石などの材料を捨てこむことを「裏込め工」といいます。材料には切込砂利のほか、玉石などが使用されます。

その他、山留壁と腹起材の隙間を埋めるために使われる材料も裏込材といいます。設置することにより、山留壁が受ける土圧を確実に腹起に伝え、変形を抑える効果を発揮します。モルタルやコンクリート、鋼材などが用いられます。木材が使われることもありますが、抜け落ちる場合があるので注意が必要です。仮に設置しないとトラブルが発生する可能性が高まります。例えば、想定外の変位により周辺の地盤沈下や、近接構造物への影響、道路の亀裂などが起きるほか、ガスや上下水道などに悪影響が出ることがあります。