乳剤とは、主にアスファルト乳剤を指し、道路舗装の表面処理や安定処理、さらに舗設する各層との接着、継目や構造物との付着促進に使用されています。

道路舗装のコーディング作業として、主として防水のために施されるプライムコート、各層の結合を強めるために施されるタックコートがあります。

褐色のアスファルト乳剤は常温で使用することができ、構成成分であるアスファルトと水が分離することで粘結性が生じて強度が発生し黒色になります。

アスファルト乳剤は、ストレートアスファルト(50~70%)、水、および乳化剤が主成分であり、電荷の状態によって3種類に分けられます。

陽イオンのカチオン系乳剤は、安定性に優れ速やかに骨材表面にアスファルト被膜を形成するため道路舗装用として使用されています。

陰イオンのアニオン系乳剤は、長時間の保存に向いていることからスラリーシールや防水用アスファルトとして使用されています。

電荷を持たないノニオン系乳剤は、科学的に安定し容易に混合できるため路盤再生工法やセメント乳剤モルタル用として使用されています。

日本工業規格(JIS)、および日本アスファルト乳剤協会規格(JEAAS)により、用途に応じて細かく種類が分けられています。