建築においてトロとは、セメントに砂を入れずに水だけで練ったものをいう。セメントペーストと同義である。他にノロ・あま掛けなどともいいます。

基本的に、モルタルはセメントに砂を混ぜてから水で練ったもの、トロは水だけで練ったものというように大別できる。

石やタイルの下に敷かれるセメントペーストを敷きトロと呼ぶ。床に敷き詰めた石と石の間に流し込んで固定させるために用いる。敷きトロという場合、砂の割合を少なくした柔らかいモルタルを下地に敷くこともある。

継ぎトロとは、レンガや石を積む時に、水で練ったセメントペーストをレンガや石の隙間から流し込むこと。レンガや石を固定させる役割がある。

付けトロとは、レンガや石を積んで固定させる時に使うセメントペーストのことである。

流しトロとは、石を床に敷く際に目地に流し入れるセメントペーストまたは柔らかいモルタルのこと。

トロは敷石などの隙間にセメントを上から流し込む作業、ノロは左官が手作業でセメントを壁などに塗り込めること、というように区別する場合もある。

セメントを砂や砂利と混ぜてコンクリートを作る時などに使われる容器のことをトロ舟と呼ぶ。プラスチック製のものがほとんどで、排水口がついているものもある。