英語でテーパー(taper)とは、傾きや勾配のこと。建築の世界でも、細長い構造物の幅や厚みなどを設計で薄くすることを「テーパーをつける」などという。

石膏ボード(プラスターボード)の面の取り方には、スクエアエッジやベベルエッジの他に、テーパーエッジがある。ボードの横面を垂直にカットしたものがスクエアエッジ、斜めにカットすればベベルエッジ、ベベルエッジよりもさらに先細りさせてカットしたものがテーパーエッジとなる。
気密性の高い丈夫な壁を作るドライウォール工法では、テーパーエッジの石膏ボードを用いるようにする。天井や内装壁に石膏のテーパーボードを張り、ボードの継ぎ目にパテやジョイントセメント、ジョイントテーピングを施して、継ぎ目をなくしてしまう。その上から下地材やペイントを塗布して仕上げる。

しかし、日本においては現状でテーパーエッジのボードがあまり普及しておらず、大半がスクエアエッジボード(平ボード)またはベベルエッジボードである。テーパーエッジがそれほど広まっていないのは、ボード張りや下地のパテ埋め込みなどに手間がかかることが原因と考えられる。そのため、建築現場ではベベルエッジでドライウォール工法を行っていることが多い。