はんばとは漢字で飯場と書き、鉱山労働者や大規模な工場現場での作業員用の宿泊施設のことをさしています。現場監督が日中だけ現場事務を行う仮設事務所とは異なり、飲食をしたり宿泊するといった日常生活の場になっています。
飯場とは、字義通りにとれば「飯を食う場」であり、労働者が住む宿舎ないし寄宿舎を指すに過ぎません。新聞記事やテレビのニュースなどで飯場がとりあげられる場合、「作業員宿舎」などと呼ばれるのが一般的です。
現在では、建設工事現場の(宿泊を伴わない)休憩所や食堂の意味で使用されることもあります。しかし清潔感などに欠ける表現であるため、否定的な意味での使用が多いです。
作業員も住み込みではなく家から通勤するものが多くなったので、飯場は山奥の現場などに見られる程度に少なくなっています。
飯場は第2次大戦前の鉱山における鉱夫統轄制度が始まりです。主に金属鉱山や北海道の炭鉱などで採用され、九州の炭鉱などの納屋(なや)制度も似ています。
飯場頭(リーダー)が労働の指揮、鉱夫の募集、鉱夫生活の管理を所属経営者から請け負い、飯場の経営を行っていました。鉱夫の虐待、飯場頭の勢力争いなどの弊害をともなったためしだいに改善され、明治期後半から廃止する鉱山も出現しだしました。。1920年代に労働運動の台頭、政府からの行政介入、坑内作業の機械化の進展、鉱夫管理体制の改革がみられ、有力鉱山では飯場制度が最終的に廃止されました。