「防水モルタル」とは、モルタルの中で特に防水機能を加えたものをいう。

通常のモルタルには微小な穴が空いているため吸水性をもつ。コンクリート内部の防水層や雨漏り・水漏れ対策などに使用するため、防水機能を加えたものが防水モルタルである。防水機能を高めるためにさまざまな成分が添加されているが、配合などを含めて企業秘密であることが多く、成分表などといった詳細は記載されていない。

防水モルタルは施工しやすく、耐久性や防火性に優れる。ただし、防水モルタルはひび割れやすく、ひび割れから水が入り込むとカビや腐食などの原因となる。なお、防水モルタルという名前が付いてはいるが、防水モルタル単体では防水機能が不完全である。

そのため、防水モルタルを使用しても、防水塗料の塗装は必要。防水モルタルが完全に乾いた後に、弾性塗料などを塗布する。弾性塗料は伸縮する性質があるため、防水モルタルにひび割れなどが生じても保護できる。
防水モルタルは長期の防止を保証するものではないということに留意すべき。屋上やベランダなど、雨に晒される場所に使用することが望ましい。庭に池を造成する目的などに防水モルタルは向いていない。
防水モルタルも、通常のモルタルと施工方法は変わらない。施工する表面を清掃してから数回に分けて塗り重ね、一定期間養生する。下地調整や吸水調整も必要となる。