建築でVEとは、デザインや品質などを落とすことなく、最小限のコストで建設物やその工法・手続きなどを改善させる組織的な努力のことである。バリューエンジニアリングの略で、「ブイイー」と呼ばれることが多い。VE案・VE提案とも。

建築現場は大規模で多くの業者が関わり、計画の段階から施工が完了するまでに多額の費用と時間がかかる。そのためVEが必要となる。

VEには2つの方式がある。1つは、工事の入札段階で、設計図で限定していない部分の施工方法などについて技術提案をする方式。もう1つは、契約後に受注企業が施工方法などについて技術提案し、採用された場合に提案に従って設計を変更する方式である。

VE作成の手順は、まず必要な情報を収集してそれらを整理し、集めた情報を分析する。そこから導き出したものをVE提案書としてまとめ、顧客や発注者に提示する。

VEと比較されるものにCD(シーディー)がある。コストダウンの略。VEとは違い、価値や性能が低下しても良いことを前提として、材料や設計などを工夫することで現在の価格より安くする方法。実情は、明らかに性能などを落としているのにCDと呼べば印象が悪くなるため、同じくVEと呼んでいる事例もみられる。