バリューエンジニアリングとは、製品やサービスの価値を高めるための体系的な手法のことである。アメリカが発祥とされ、VEと略されることが多い。日本語で価値工学ということもある。
顧客のニーズやコストパフォーマンスなどを分析して、VEの対象を選定する。そのために、情報収集や機能評価などをしっかりと行う必要がある。

建築では、プロジェクトの各段階でVEは導入される。特に建築計画や設計といった早い段階から行うことで、VEの効果が高まる。
計画の段階では、対費用効果や計画の合理化などがVEの対象となる。設計でも対費用効果が求められ、建築資材の変更などでコストカットを目指す。

施工段階でも、建築現場の判断でVEは行われる。具体的には、照明の取り付け中止や貼り付けるタイルの変更など。
バリューエンジニアリングと対照的なものとして、コストダウン(CD)がある。CDはコスト削減に重きを置くのに対して、VEは品質や機能を落とすことなくコストを削減するよう努力する。また、予算に余裕がある場合に品質や機能を高めるよう改善することもVEと呼ぶ。

VEを実現させるためには、初期費用だけでなくランニングコストも見据えなければならない。基礎知識を持つマネジメント会社やVEリーダーの起用も有効。VEリーダーとは、日本バリュー・エンジニアリング協会などが認定する資格である。