タグボートとは、港湾で大型船舶の着岸や離岸の補助、プラント設備の海上輸送、河川や運河で艀(はしけ)の移動、さらに海難・水難事故被害者の救助などを行う作業船を指します。また、エスコートボート(進路警戒船)として使用されることもあります。
タグラインと呼ばれるロープやワイヤーを使用して牽引、曳航する他、輸送対象物に船体を接触させて押すこともあるため、船体の外周に古タイヤなどの緩衝材が据え付けられています。
作業性が重視されているため作業デッキが低く、高速よりも低速でのトルクに強く、機動性や旋回性、定点保持のための特殊な推進機能が特徴です。また、第3種および第4種の消防設備を備え、海上災害防止業務に対応できる装備を完備しています。
港湾用のハーバータグでGT250トン前後、出力4,000馬力、2,000トン級では10,000馬力というエンジンを搭載し、トルク重視の低速型の主機関を備えています。
プロペラは水平方向に360度回転することができるダックペラと呼ばれる特殊な構造で、推進器が操舵の機能を担います。
曳航を求める船舶は、国際信号機の一つである「Z旗(Z信号機)」を掲げて船舶同士の意志疎通を行います。