トラック結びとは、トラックに荷物を固定する時に使うロープの結び方を総称したもの。1つの結び方に限定されるものではない。建築現場だけでなく、輸送業界や防災現場などでも使われている。

大型車両で建築資材を運ぶ時、ロープの固定が緩いと荷物が崩れ、荷物の落下による重大事故に発展する可能性がある。そのため、トラック結びでロープをしっかりと固定して、事故を未然に防止しなければならない。
トラック結びとして多用されるのが、南京結びと呼ばれる結び方。建築現場で新人が最初に覚えるといわれるほどの、基本的なロープの結び方とされる。

南京結びがよく使われるのは、ロープの長さを調整できるという利点があるため。振動や横揺れに強く、ロープがほどけにくい。また、ロープ1本で荷物を固定することができ、荷台に乗る物であれば高さのある荷物でも運べる。
さらに、力の弱い者が南京結びをしても、荷物をしっかりと固定できる。それでいてロープをほどきやすいため、現場での作業時間の短縮につながる。しかし、ロープを強く張らないと荷物落下のおそれがあるため、ロープを2本使うなどの対策を取るのも良い。

その他にも、ロープの締め付け具合を調整しやすいもやい結び(自在結びとも)や、滑車の原理を利用する輸送結びなどもトラック結びとして使われている。その時の状況によりトラック結びのやり方を使い分けて、建築現場や輸送中での事故を防ぐことが大切である。