「延べ面積」とは、建築物の各階の床面積を合計したものである。なお、「延床面積」という言い方が一般には知られているが、建築基準法では「延べ面積」で統一されている。
「建築面積」「建物面積」も、「延べ面積」に似た表現である。このうち「建物面積」は、不動産広告で「延べ面積」や「延床面積」と同じ意味で使われている傾向にある。
「建築面積」は、建築物を真上から見た時の、外周で求めた面積のことである。建ぺい率の計算基準として「建築面積」が使われる。
ロフトや収納スペース、出窓・玄関ポーチ・外部階段は延べ面積には算入されない。バルコニーの先端から2mまでの部分も同様。吹き抜けのような床がない部分も延べ面積には含めない。
注意すべきなのは、建築基準法における延べ面積と、容積率算定用の延べ面積は違うということ。自動車車庫や自転車駐輪場(どちらも床面積の合計から5分の1まで)、蓄電池・自家発電設備・貯水槽・防災用備蓄倉庫・宅配ボックスなどを設置した部分は、容積率を算定する際には含めない。エレベーターの昇降路や、共同住宅・老人ホーム等の共用廊下や共用階段なども同様である。
ただし、地方自治体によっては、延べ面積の算出方法において考え方が変わることもある。
気になる場合は、各自治体の担当課や民間の審査機関などに問い合わせると良い。