三相交流とは、単相交流を同じ間隔で3つ重ね合わせたもので、工場などの大規模な設備に大きな電気を送る時に使用されます。単相が送電していない間も他の二相で送電することで、単位時間に送電できる電力が3倍になっています。また、三相交流には「対称三相交流」、「平衡三相交流」、「三相不平衡交流」などがあります。

三相交流は、交流送電によって高い電圧で送電できるのが特徴で、送電ロスが少なくて済むのがメリットのひとつです。加えて、3つの相の位相差が120度ずつあることにより、回転磁界が容易にできるのも魅力です。さらに、変圧器での昇圧、降圧を容易に行えることや、同じ電力を送る際に経済的であることもメリットとしてあげられます。

一見するとメリットの多い三相交流ですが、家電製品の多くが直流電流で動いているので、パソコンのように外付けのACアダプターで変換するなど、再変換する必要があることはデメリットです。加えて、交流は電気をためておけません。また、送電距離に限度があり、海底などでは高圧送電が不可能なことや、電力系統の消費量に合わせて発電量を細かく調整しないと、一定の周波数を維持できないことがデメリットとしてあげられます。