原木を製材することによって表面に現れる年輪などの模様を木理(もくり・一般には木目)といい、木理が樹幹方向に平行に走っているものを柾目(まさめ)、そうではないものを板目と呼ぶ。
柾目は原木を放射状に(中心部分に向かって)カットし丸太の半径以下の材しか得られないが、板目は原木を平行にカットすればよく、丸太の直径以下の材が得られる。
反りやくるいが少なく製材の歩留まりが悪い柾目は板目よりも高価である。俗に木偏に正しいと書いて柾、木偏に反ると書いて板と言われる。
柾目の造作材は寸法安定性に優れ、木目が美しいことから障子・建具・座敷の長押(なげし)などに用いられてきたが、良材の価格は高騰している。
自然志向によって住宅の内装に天然木を使う人が増えてきているが、住宅全体が洋風化していることもあり柾目に対するこだわりを持つ人は少なく、板目の材が多用されている。
板目は山形や筍型になっていることが多いが、樹種や原木の個体によってそれ以外の模様が現れることもある。その中で装飾性が高く美的価値を認められた木目は杢あるいは杢目と表現される。
杢目の種類は笹杢(ささもく)、如鱗杢(じょりんもく)、玉杢(たまもく)、鶉杢(うづらもく)、縮杢(ちぢみもく)、葡萄杢(ぶどうもく)、泡杢(あわもく)など多彩だが、カエデ類によく現れる鳥眼杢(ちょうがんもく)はバーズアイメープルと呼ばれることも多い。
【参考動画】
こちらの動画では板目について解説されています。