藁葺(わらぶき)屋根とは、藁で葺いた屋根のこと。
この場合、藁は稲に限られるわけではない。麦などイネ科の植物の茎を乾燥させたものを屋根に葺けば、藁葺き屋根となる。
尚、藁葺き屋根に似たもので茅葺き屋根(萱葺き屋根とも)がある。藁は稲や麦、茅はススキやスゲなど。しかし、いずれもイネ科の植物であるため、藁葺きと茅葺きが厳密に区別されているわけではない。

また、植物全般で葺かれた屋根という意味の言葉で草葺き屋根がある。しかし、茅葺き屋根も植物の種類にかかわらず草木で葺いた屋根の総称として使われている場合もあるため、言葉の使い分けが徹底されているとはいえない。藁葺き屋根と草葺き屋根との間でも、同様の混同が見られる。
藁葺き屋根は、竹や丸太で作られた垂木の上に縄や番線などで藁を固定して葺いていく。藁の厚さが15〜60cm程度になるように葺く。特に軒先は厚くしなければならず、スギの皮などで棟を覆っていき、竹や木の板で押さえる。

ワラで葺いた屋根とカヤで葺いた屋根との最大の違いは耐久性。カヤは油分を含んでいるため、茅葺き屋根の耐用年数は15〜20年、長くて40〜50年持つと言われる。しかし、ワラは水を吸い上げやすいため、耐久性に劣る。