建築におけるタチとは、地面や床面に対しての鉛直・垂直方向のこと、もしくはその程度を指し、漢字で「建ち」と書きまます。タチの状態を測ることは「タチを見る」などど表現。
対して水平方向はロクと呼ぶ。漢字では「陸」と書く。
柱などが垂直に立っていない状態を「タチが悪い」などという。その逆は「タチが良い」。物事の性質や人の性格が悪いことも「たちが悪い」というが、この場合の「たち」は「質」と書くため同じ意味ではない。
タチを見る道具に下げ振りがある。真鍮などでできた円すいを上下逆さにした形の重りを、糸に付けてぶら下げることによりタチが見られるもの。横風の影響を受けやすいため、箱状の風防が付属している下げ振りもある。最近では、光学機器を使ってタチを見ることも増えた。レーザー墨出し器などと呼ばれるものを使用します。
似た言葉に建入れ(たていれ)がある。柱や梁などの垂直や水平を正しくとることという意味なので、垂直に限らないのがタチとの違い。柱や梁が所定の精度に納まるように位置や角度を調整することを建て入れ直しという。
タチと混同しやすいものがカネ。カネとは直角のことで、地面との向きは関係なく、単に90度の角度を表すものである。漢字では「矩」と書く。