建築業界でいうシステムトイレとは、手洗い器や収納などがセットになっているトイレのこと。
従来のトイレでは、貯水タンクの上に手洗い用のカランが付属するものが多かった。現在はタンクレストイレの普及などにより、手洗い器を別の場所に設置できるようになった。収納スペースを確保できるようになったのも、同様の理由による。

システムトイレの設置は、単一の業者が施工する。狭いスペースでの作業を効率良く行うことで、工期を短縮できる。
また、システムの部材は全て工場で製作される。壁・床・天井から、便器・配管・照明・換気システムなどに至るまでを製作して、現場で組み立てていくようにシステム化されている。

システムトイレにすることで、トイレ用品だけでなく、配線などの収納もしやすくなる。また、手洗い器の設置は既存の給排水設備を使えば良く、新たにシステムトイレ用の配管工事をする必要が軽減される。さらに、セットとしてカタログ化できるようになり、トイレ全体のイメージを把握しやすくなる。

ただし、システムトイレには広い空間を必要とするため、狭いスペースに設置すると開口部が制限される。価格は従来のトイレよりも割高となる。また、部品が一体となっているものが多く、故障の場合は便器ごと交換しなければならない場合もある。